スポーツの水分補給 ~脱水症状を回避するために~

スポーツの水分補給 ~脱水症状を回避するために~

汗と関係の深いものといえば、スポーツですね。 でも、実際どれくらい汗をかくんだろう?その補給方法は?・・・ などと、知ってるようで知らないことをまとめてみました。

スポーツをする場合の必要水分量

一日、ふつうに過ごした場合、一日で水分が出入りする出納量は、2~2.5Lとされています。 しかし、トレーニングを行った場合、トレーニングをするだけで2~3Lで、通常の2倍の出納量、 さらにフルマラソンを行う場合は、それだけで4~5L、通常の3倍の出納量が必要となります。 これに見合った水分を補給していかないと、体の水分が不足するということが言えます。

水分の補給方法

必要な水分量

水分補給の目安は、気温や湿度などの環境、体の水分含有量、体重によって異なるため個人差があります。 そこで、一つの目安をご紹介します。 体重の2% です。体重の2~4%の水分を失うと、のどの渇きを覚える状態になってしまいますので トレーニング開始前とその後で体重が2%以上減少する場合は水分補給量が不足していることになります。 練習場・試合場には体重計の設置をお勧めします。

どんな水分を補給すればいい?

トレーニングでは、水分だけでなく塩分、各種栄養素も失われていきます。 そのためその補給をするものとして、やはり スポーツドリンク がおすすめです。体温上昇が著しい場合、これを10℃ほどに冷やして補給するのが良いとされています。 また、特に試合中などで栄養の吸収を急ぐ場合、スポーツドリンクを半分程度に薄めて補給すると、 早く栄養素を吸収できます。 (汗の濃度に合わせて、含有成分が2~2.5%がおすすめ。スポーツドリンクは4~11%のものが多い)

どんなタイミングで飲めばいい?

しくは、上の図をご覧いただきたいのですが、 要約すると ・薄めたスポーツドリンクを ・競技30分前に400~600ml ・協議中は10~15分おきに100~200mlずつ ・終わったあとに体重が減り過ぎていない(2%目安)こと がポイントですね。

それでも熱い!と思ったら・・・

水を飲むだけでは熱い・・・という場合は 頭から水をかぶりましょう。 また、筋肉量の多い場所(太もも等)に水をかけることも効果的です。 マラソン選手が吸水所で良くやってますね。 剣道やアメリカンフットボールのように防具やプロテクターを付ける競技の場合は 外して涼むことも必要ですね。

運動後の水分補給

練習後や、試合終了後は おしっこの量が減少 します。尿酸などの老廃物排出にも影響する可能性がありますので 練習・試合後は速やかに水分を補給してください。 水に若干の重曹を溶かすと、尿酸の排泄が良くなります。(高血圧症の方は不可)

脱水症状とは?

それでも脱水症状になることはあり得ます。

脱水症状とは

・ひどいのどの渇き ・脱力感・倦怠感 ・体温の上昇 が起きます。さらにひどくなると ・筋肉がズキズキ痛む ・筋肉が痙攣する 等の症状が発生します。 さらにさらにひどくなると意識が朦朧とし、最悪の場合は死に至ります。

脱水症状になってしまったら?

しなければならないことは3つです。 ・水分補給 ・体を冷やす ・素人判断をせず、医療機関に連絡し、適切な処置方法を確認する この時、水分を一気に飲んでしまうと水中毒を引き起こす可能性もありますので 少しずつ水を飲むことを心がけてください。

脱水症状に気を付ける時期

まさか、7月8月の炎天下で脱水症状に気を付けない方はいないと思いますが、 その他、気を付けないといけない時期は 6月 です。実は、6月は能動汗腺の働きが悪くなる時期です。 決して無理をしないようにしてください。   以上、スポーツで気を付けていただきたい、水分補給の方法でした。   参考文献: 「図説・運動の仕組みと応用 第2版」p.93 ,pp.173-175,p.219 編集/中野昭一  発行/医歯薬出版株式会社 1996年6月発行